贅沢な暮らし

上越に住んでいると、お金がなくても、ガツガツしなくても、リッチな生活。
オカネがなくても職場のすぐ近くに住めるので、
満員電車に揺られて長時間の通勤をする必要はない。
自家用ヘリを持っていなくても、道がすいているので、
渋滞に巻き込まれてイライラすることはない。
スキー場もゴルフ場も温泉も海も山も、すぐ近くだから、
「休みの日は早起きして渋滞に巻き込まれ、レジャーのつもりが疲れて帰ってくる」
・・・なんてことはなく、一日を有意義に過ごせる。

過度な競争もないから、その気さえあれば、
ちょっと上品な学校に子供を通わせることも、簡単にできる。

高額のローンに苦しまなくても、
安い借家がたくさんあるので、分不相応な広いおうちに住める。

・・・いいことイッパイあるけど、何が一番贅沢かって、「毎日が海原雄山」みたいな食生活がおくれること。

長男が離乳食のころ、ちょうど大阪に住んでいて、

安全なものを食べさせたいけど、
無農薬・減農薬野菜などは高価でとても手に入れられず、
せめてもと、安価な輸入野菜を横目に、国産野菜を頑張って買っていた。

ところが、上越に住んでいると、あちこちから、自家製減農薬野菜などを、どんどん頂く。
「減農薬」の証明、キャベツからアオムシなんか出てきたりした日には、
ありがたさに、深い感動をおぼえる。
これが、滋味深く、本当に美味しいの。

子供のころ、農家出身の母に、
「畑でとれたばっかりのトマトを食べたことのないアンタはかわいそう」と、
しつこく憐れまれていたんやけど、その意味が、上越に来て、しみじみと分かった。

イラストレーターのひぐちキミヨさんは、
東京の娘さんのおうちに行くとき、スーツケースいっぱいに、
朝市やあるるん畑の野菜を持って行くらしい。
東京のスーパーで買った野菜で料理しても、
ぜんぜん味がないから、
娘ちゃんたちに、上越の美味しいお野菜を食べさせてあげたいから、やって。

・・・でも、こんな生活も、あと10年くらいかな?と思う。
 
今、朝市やあるるん畑に手がかかった、
本当に美味しいお野菜やお惣菜、お菓子を出荷してくださっている、
おじいちゃま、おばあちゃまがいらっしゃらなくなったら、こんな贅沢な日々は終わりやね。
都会の人と同じように、ビンボウ人は、輸入の味のないお野菜を買うしかない。
 

そして、今、平場の何倍もの時間と手間をかけて、お年寄りが作ってくださっている、

はさがけ米も、あと10年もすれば食べられなくなる。
私たちより若い世代のひとが、そんな大変なコトをするわけがないから。

名立の清涼な山の中で、沢田さんは、夏には、毎日田んぼや畔を草刈している。
使っている農機具は、農業委員会の「機械の賃借料の目安」リストに載っていない、

博物館に入ってもおかしくないような?旧式のもの。

何故かというと、沢田さんの山の田んぼは、大きな機械が入らないから。
そして、コンバインを使わず、昔ながらのはさがけ。

沢田さんが、一年間丹精込めて、たった、30俵か40俵しか取れない、貴重なお米。
量が少なすぎて、ブランド化されていないけど、
日本中のお米の中で、きっと、上位1%に入る、上等のお米。
海原雄山だって、このお米は、貴重な来客のときにしか、出さないと思うよ。
しかも、たっぷりの講釈付で・・・(^^ゞ

こんなお安く売っちゃって、沢田さんのはたらき、時給に換算したらいくらなの?
はっきり言って、税理士的目線で見れば、とっても、「仕事」としては成り立っていない。
お商売が下手(失礼!)な、農家さんだから、

こんなネウチのあるものを、こんな値段で売っちゃうけど、
普通に原価計算していけば、この何倍もの値段がつくことになる。

こういうものを、巷に売っている、ナニが混ざっているかわからないようなものと、

ほとんど変わりのない値段で買える、私たちは、本当にラッキーです。

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